多くの消費者が惹かれる「まとめて」という言葉の裏には、明確な経済的インセンティブと行動経済学的な仕掛けが共存しています。ECサイトで頻繁に実施されるまとめて購入割引を活用すれば、単品購入時に比べて5〜15%程度のコスト削減が期待できるのは事実です。購入頻度を減らすことで配送回数を抑え、環境負荷と受取の手間を同時に減らせる点も大きな魅力と言えます。
しかし、取材現場で数多くの家計相談を検証してきた結果、見逃せない落とし穴も判明しています。それは「まとめ買いによる在庫過多」と「支払いの実感が薄れることによる支出増」です。「3点以上で割引」という条件を満たすために本来不要だった商品までカートに入れてしまい、トータルの出費が膨らんでしまうケースは枚挙にいとまがありません。真にお得と言えるのは、「数ヶ月以内に確実に消費する定番品」に絞って一括調達した場合のみという冷静な視点が欠かせません。