三木谷の経営スタイルに対しては、今なお社内・社外から賛否両論が渦巻いている。思い立ったアイデアを即座に全社命令へと落とし込むトップダウンのスピード感は、変化の激しいIT業界において最強の武器である一方、現場に強烈な疲弊をもたらしてきたのも事実だ。
数々のキーマンの去就、急激な方針転換に伴う現場の混乱。それでも彼がトップに君臨し続けるのは、「三木谷浩史という個人の意志」以外に、この巨大船の舵を切れる人間が存在しないからに他ならない。シリコンバレー型の「ファウンダー主導型イノベーション」を日本で最も体現する男の凄みと脆さは、常に表裏一体なのだ。