では、年収の「壁」を軽々と突き破っている人々は一体どこにいるのか。結論は極めてシンプルだ。個人の能力差以上に「どの産業に身を置いているか」が給料の8割を決定づける。
代表格が「IT・通信業界」だ。エンジニアやプロダクトマネージャー、DX推進人材に対する需要は底天井の勢いを見せている。社員のクチコミや年収データを収集する「OpenWork」の分析でも、IT大手に勤務する30代後半の平均年収は600万〜800万円クラスが射程圏内だ。さらに、SaaS企業や外資系ITであれば、30代で1000万円の大台に乗るケースも珍しくない。
もう一つの絶対王者として君臨し続けているのが「金融・保険業」である。銀行、証券、総合保険、アセットマネジメント。リスクをとって高度な金融商品を扱うこの業界では、インセンティブ比率が高く、30代中盤で1200万円前後の年収を提示される例もざらに存在する。ハイクラス転職サイトの「ビズリーチ」でも、金融経験者に対するヘッドハンターからのスカウト額は群を抜いて高い。
給与の源泉は、個人の努力量ではない。その業界が構造的に「高い粗利益率」を保持しているかどうかにかかっているのだ。