日本の物流業界は今、持続可能な配送網の再構築に向けた大きな過渡期にある。ドライバーの働き方改革に伴う時間外労働の制限に対応するため、国土交通省が推進する標準物流運賃の適正化を受け、各事業者は運賃体系の見直しを推し進めてきた。業界の二大巨頭であるヤマト運輸株式会社と日本郵便株式会社の動向は、利用者の生活コストにダイレクトに反映されている。
かつてヤマトホールディングスを牽引した長尾裕氏をはじめとする経営者層が取り組んできた構造改革は、労働環境の改善とサービス品質維持の両立を目指すものだった。燃料費の高止まりや人件費の上昇が続くなか、従来の価格競争から「サービスに見合った適正運賃」へのシフトが進んだ結果、宅配便の料金設計はより複雑化し、利用者の賢い選択が問われる時代となっている。