法曹界を去った後の中坊氏は、表舞台から完全に身を引きました。名誉も肩書も失った晩年は、故郷の京都で静かに暮らしながら、自らの半生を振り返る著作の執筆や、依頼を受けた少数の講演活動を行う日々を送っていました。
そして2013年5月3日午前、京都市内の病院で急性心不全のため83歳で死去しました。かつて日本中を熱狂させたカリスマの静かな旅立ちでした。
中坊氏に対する評価は、今なお二面性を帯びています。弱者に寄り添い公害や産廃問題に立ち向かった「偉大な人権弁護士」としての顔と、住専回収で目的のために手段を選ばず法を逸脱した「独善的な回収者」としての顔。しかし、彼が投げかけた「正義とは何か」「法は何のためにあるのか」という根源的な問いは、令和の今も多くの議論を呼び続けています。