斜里町ウトロから羅臼町へと続く知床横断道路や、観光客で賑わう知床五湖周辺。ここで近年、目撃される個体の「性質」が明らかに変わりつつある。かつて人は警戒すべき存在であり、鈴の音や気配を感じれば姿を消すのが当たり前だった。しかし今、白昼堂々と観光客の視線にさらされながら道端の草を食み続ける「人に慣れた個体(ナレグマ)」の存在が目立つ。
現地取材で判明した最新の目撃動向によると、リスクが高まっているのは奥深い山岳地帯だけではない。ウトロ地区の市街地近郊や海岸線の散策路、カムイワッカの滝に向かう市道周辺など、人間活動と近接するエリアでの目撃頻度がピークに達している。母グマが小さな子グマを伴って道端に居座るケースも増えており、子グマを守ろうとする母グマの威嚇や突進といった一触即発の事態が各地で散発しているのが実情だ。