短尺動画プラットフォームであるTikTokやYouTubeのショートコンテンツにおいて、視聴者の目を引く最大の要素は「圧倒的なリアリティ」だ。固定三脚に置かれた映像や、いかにも撮影していますと言わんばかりの画角は、タイムラインを一瞬でスワイプされてしまう。そこで脚光を浴びたのが、撮影者の視点をそのまま体験できるPOV(一人称視点)映像である。
かつて警察や警備の現場で導入が進んだボディカメラは、安全管理や記録を目的としていた。しかし今、その「視点の低さ」と「身体との連動感」が、クリエイティブな表現手法として再発見されている。重い機材を持たずに街へ飛び出し、胸元から世界を切り取る軽快さは、ウェアラブル・テクノロジー産業全体の潮流とも見事に合致しているのだ。