京都府の旧市街地特有の、細く入り組んだ路地構造。観光客でにぎわう主要通りからわずか一本裏へ入るだけで、そこは昼間でも人通りが途切れるブラインドスポットと化す。犯人はこの地理的隙間を巧みに利用したと見られている。
現場を長年取材してきた事件ジャーナリストは、路地の構造的危険性をこう指摘する。「京都の路地は格子状に見えて、抜け道や監視の目が届かない角が非常に多い。地理に精通していなければ、短時間で足取りを消すことは不可能に近い」。防犯カメラの設置場所を完璧に回避するかのような移動ルートは、周到な下調べがあった証左とも言える。