いまタイ王室が直面している最も深刻な懸案事項が、将来の王位継承問題です。かつて最も有力な後継者と目されていたのが、国王の長女であるパチャラキティヤパー王女でした。元検察官で国連大使も務めた聡明な王女は国民からの人望も厚く、女性君主の誕生も有力視されていましたが、2026年末に心臓疾患により意識不明となって以降、長期の療養が続いています。
この事態を受けて、後継者選びのシナリオは複雑さを増しています。現在の皇太子候補としては、第3代妃との間に生まれたティパンコーン王子が挙げられますが、王子はドイツでの留学生活が長く、公の場への露出は限定的です。
さらに、かつて王室を離脱しアメリカへ移住していた国王の次男や三男が近年タイへ一時帰国して話題となるなど、後継の座をめぐる水面下の動向には国内外から高い関心が寄せられています。王位継承が国家の安定に直結するタイにおいて、この問題の決着は極めて重要な意味を持ちます。