朝ドラ『スカーレット』モデル神山清子の真実と信楽焼作品の現在

朝ドラ『スカーレット』モデル神山清子の真実と信楽焼作品の現在

朝ドラ『スカーレット』モデル神山清子の真実と信楽焼作品の現在に関する最新のニュースを速報でお届けします。関心のある方は必見です。

神山清子氏の名を不朽のものとしたのが、釉薬(うわぐすり)を一切使わずに焼き上げる「古信楽(こしがらき)の自然釉(しぜんゆう)」の再現です。室町・桃山時代の古窯跡から発掘された陶片の、吸い込まれるような深いエメラルドグリーン(ビードロ釉)に魅せられた神山氏は、自らの手で山中に穴窯「寸越窯(すんごえがま)」を築きました。

穴窯の焼成は、まさに命がけの作業でした。薪を昼夜問わず数日間にわたってくべ続け、窯内の温度を1300度以上に保ちます。降りかかった赤松の灰が高温で溶け、土に含まれる鉱物と融合してガラス質の美しい緑色に変化する「自然釉」は、人為的な計算を超えた炎の偶然性に委ねられます。

ドラマでも描かれたように、幾度もの失敗で借金を重ね、窯が崩落する絶望に直面しながらも、神山氏は自宅の木製家具まで薪にして窯に放り込み、ついに幻の自然釉作品を焼き上げました。土肌の荒々しい焦げと、滴る露のようなビードロ釉が共存する本物の作品群は、生命の宿る器として国内外のコレクターを唸らせています。

田中 結衣
Author

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。