症状に対する正しい知見を広める上で、メディアや映像作品が果たす役割は大きく変化している。例えば、認知症の母と息子の日常をコミカルかつ温かく描いた映画『ペコロスの母に会いにいく』は、中核症状やBPSDと向き合う家族のあり方に深い共感と気づきを与えた名作として知られる。
現在ではNHKオンデマンドをはじめとする動画配信プラットフォームでも、認知症当事者の視点を捉えたドキュメンタリーや解説番組が豊富にアーカイブ化されており、市民の理解を促す貴重なリソースとなっている。これに伴い、医療・介護産業も単なる身体的ケアにとどまらず、ロボティクスやAIを活用した生活支援、当事者の自己決定権を尊重した意思決定支援プログラムなど、多角的なサービスを展開する時代へと突入した。