飯田橋周辺は、酒場ファンにとっての聖地でもある。テレビ東京の人気ドラマシリーズ『孤独のグルメ』において、俳優の松重豊が演じる井之頭五郎がふらりと立ち寄り、一心不乱に食と向き合ったあの名店を覚えているだろうか。飾らない佇まいの中に隠された本格的な味は、視聴者の食欲を大いにそそった。
また、BS-TBSの看板番組『吉田類の酒場放浪記』で酒場詩人の吉田類が酔いしれた大衆酒場も、このエリアに深く根付いている。画面越しに伝わる焼き鳥の煙、大鍋でグツグツと煮込まれるモツ煮、そして店主や常連客との温かな会話。メディアがこぞって取り上げるのは、単に料理が旨いからだけではない。その店が培ってきた「時間」と「人情」が、訪れる者の心を掴んで離さないからだ。