ジャーナリズムおよび文化社会学の視点から小池さんという存在を総括すると、彼が半世紀以上愛され続ける理由は単なる「ラーメン好きのギャグキャラ」だからではありません。そこには「昭和の貧しさとクリエイター同士の強い連帯感(共生関係)」が美しく結晶化されています。
高度経済成長期、まだ漫画やアニメが社会的に正当な評価を得ていなかった時代に、トキワ荘に集った若者たちは狭い部屋で夢を語り合い、限られた食事を分け合っていました。藤子両氏が鈴木伸一氏を漫画に描き、それを鈴木氏が笑って受け入れ、さらに自身の手でアニメーションとして動かす――。この循環構造こそが、日本のアニメ産業を世界一へと押し上げた原動力でした。
小池さんが画面に映るだけで、視聴者がどこか懐かしく、温かい気持ちになるのは、その造形の中に「若き日の作り手たちの無邪気な友情と創作への情熱」が息づいているからに他なりません。