世界的に見れば西暦での統一が一般的である中、なぜ日本は行政や金融機関で和暦を使い続けるのか。そこには単なる伝統の保持にとどまらない、制度上の理由が存在する。
日本の公文書や法改正の歴史はすべて元号に基づいて記録されており、過去の膨大なデータベースを西暦へ完全移行するには巨額のシステム改修コストとリスクが伴う。また、自治体のDX推進現場では、住民票や戸籍の元号表示と西暦システムとの間で日々高度なデータ変換が行われている。私たちの生活様式がデジタル化してもなお、和暦という文化はシステムと思考の根底に息づいているのだ。