セ・リーグを制し、日本シリーズでも頂点に立った阪神タイガース。しかしベストナインに選出されたのは、一塁手の大山悠輔、遊撃手の木浪聖也、外野手の近本光司の3名に留まった。
「独走優勝を果たしたチームにしては少ないのではないか」という声も当時は聞こえた。だが、それこそが岡田彰布監督(当時)が築き上げたチームスタイルの真髄だ。個人の突出した本塁打数に頼るのではなく、四球を選び、繋ぎ、全員で1点を取り守り切る。大山の圧倒的な最高出塁率、木浪の恐怖の8番打者としての勝負強さ、近本の攻守にわたるチームの牽引力。選ばれた3人は、まさにその「粘り勝ちの野球」を極限まで体現した象徴だった。