めまいの大半を占める「良性発頭位めまい症(BPPV)」やメニエール病といった耳の疾患は、激しい症状を伴うものの生命に直接の危険を及ぼすことは少ない。これら末梢性の眼振は、特定の方向を向いたときに強くなり、固視(じっと一点を見つめること)によって抑制されやすい特徴を持つ。
一方で、小脳や脳幹の出血・梗塞によって生じる中枢性の眼振はきわめて危険だ。固視を行っても揺れが止まらず、垂直方向への揺れや、視線を変えるたびに揺れの向きが反転するといった異質な動きを見せる。一刻を争う脳血管疾患の兆候を見逃さないために、動画に記録された眼振のプロファイルはまさに運命を分ける情報となる。