日本の平面表現が世界的な評価を確立するまでには、一筋縄ではいかない進化の歴史が存在する。その礎を築いた筆頭が手塚治虫だ。コマ割りやカメラワークといった映画的手法を漫画に持ち込み、さらに国産初の連続テレビアニメを立ち上げたことで、物語表現としての平面メディアの基礎が完成した。
その後、表現技術は圧倒的な芸術性へと昇華していく。宮崎駿監督が手がけた『千と千尋の神隠し』は、手描きアニメーションの緻密さと圧倒的な世界観でアカデミー賞を受賞し、日本のアニメが単なる子供向けの娯楽ではなく最高峰の映像芸術であることを世界に証明した。また出版業界を牽引する株式会社集英社の「週刊少年ジャンプ」作品群は、数々の名作漫画を生み出し、メディアミックスを通じて産業の巨大なエンジンであり続けている。
繊細な心理描写と圧倒的な作画美で国内外に熱烈なファンを持つ京都アニメーションの存在も欠かせない。光の表現やキャラクターの些細な仕草にまで宿る職人技は、平面の世界に生々しいまでの息吹を与えた。さらに新海誠監督の『君の名は。』が巻き起こした世界的大ヒットは、美しい風景描写とデジタル映像技術の融合によって、平面表現の新たな可能性を切り開いた歴史的転換点となった。