普段飲むペットボトル水に含まれる微細粒子は、私たちの健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか。かつては「経口摂取したマイクロプラスチックの大部分は消化器官を通過して便とともにそのまま体外へ排出される」と考えられていました。しかし、サイズがナノメートル単位まで微小化すると話は変わってきます。
ナノプラスチックは、腸管の細胞バリアをすり抜けて血流に乗り、肝臓や腎臓、さらには脳関門や胎盤にまで到達する能力を持つことが実験モデルで判明しています。血管の内壁に付着して慢性的な炎症を引き起こしたり、動脈硬化性プラーク内に蓄積して心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めたりする可能性が医学誌で相次いで報告されています。
現時点で国際機関(WHOなど)は「即座に急性中毒を引き起こす決定的な毒性閾値は未確定」という慎重な姿勢を崩していません。しかし、化学物質(可塑剤や難燃剤など)を吸着して運ぶ「トロイの木馬」としての作用や、細胞内小器官に物理的ストレスを与えるリスクについては、世界中の研究者が警鐘を鳴らし続けています。