時を2005年に戻そう。北海道の土産物卸業者「株式会社キョーワ」の社内で、ある突飛なアイデアが芽生えた。阿寒湖の名物である「マリモ」と、男性の生理現象を指す俗語「もっこり」を掛け合わせるという、一歩間違えればお蔵入り確定のダジャレ企画である。
発売当初は当然のごとく地元でも敬遠され、土産物店の棚の隅でひっそりと冷遇されていた。しかし、ラジオ番組での紹介や芸能人の愛用をきっかけに、事態は急転直下する。ニヤリと笑う不敵な表情と股間の出っ張りという強烈な視覚的インパクトが、多感な若者たちの心を掴んで離さなくなったのだ。
当時の「ゆるキャラブーム」の前夜において、お行儀の良いキャラクターばかりが並ぶ市場に投げ込まれたこの爆弾は、瞬く間に全国へと感染。累計販売数は数百万個を超え、社会現象として記憶に刻まれることとなった。