『春の歌』が世に放たれたのは2005年1月12日、スピッツの通算11作目となるオリジナルアルバム『スーベニア』のオープニングナンバーとしてでした。プロデューサーに亀田誠治氏を迎え、バンドとしての肉体的な躍動感とアナログなバンドサウンドのダイナミズムを追求していた当時のスピッツにおいて、この曲はアルバム全体のトーンを決定づける極めて重要な役割を担っていました。
アルバムリリース直後からリスナーや業界内で圧倒的な支持を集めたことを受け、同年2005年4月20日にバンドの通算30作目となるシングルとしてリカット発売されるに至ります。草野マサムネが当時の音楽誌インタビューやオフィシャル回顧録で明かした制作秘話によると、構想初期のデモ段階ではよりアコースティックで落ち着いたフォーク調の質感を持っていたといいます。
しかし、スタジオセッションを重ねる中で「春という季節が持つ生命の爆発力や、前に進むための強い推進力を音で表現したい」という意思がバンド内で合致。三輪テツヤの煌びやかな12弦ギターサウンド、田村明浩のうねるベースライン、崎山龍男のタイトかつ力強いドラミングが融合し、哀愁を帯びながらも強靭に疾走する、唯一無二のロックアンセムへと昇華されました。