改名直後、民放キー局のプライム帯連続ドラマから姿を消したことで、インターネット上では「芸能界から干された」「圧力がかかっている」という言説が定着しました。しかし、関係各所への取材を進めると、事態の深層はより構造的な問題であることが分かります。
キー局プロデューサーの一人は次のように証言します。「当時のテレビ局内には、大手芸能事務所との関係維持を優先し、トラブルを抱えたタレントの起用を自主規制する空気が確かに存在していました。しかし彼女自身は活動を止めるどころか、劇場アニメ『この世界の片隅に』で主人公・すず役の声を演じ、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞に導くなど、圧倒的な実力で存在感を放ち続けたのです」。
情勢が決定的に動いたのは2019年7月、公正取引委員会による芸能事務所への注意処分でした。タレントの独立を妨害したり、移籍・独立後にテレビ局へ圧力をかけて出演させない行為が「独占禁止法違反(不公正な取引方法)」につながる恐れがあると公的機関が明言したことで、テレビ局側の過度な忖度は急速に解消へ向かいました。
現在ではNHKのドキュメンタリーや地方局の大型特番、民放のバラエティ・情報番組、さらには映画のプロモーションに伴う地上波出演が自然に行われており、「地上波復帰」という議論自体が過去のものとなりつつあります。