今や伝説となった犬井ヒロシですが、その誕生は綿密に計算された戦略ではなく、劇場の楽屋で交わされた偶然の悪ノリからスタートしていました。
当時、吉本興業の劇場出番の合間に、ギターがほとんど弾けない高橋が適当なコードをジャカジャカと鳴らしながら、芸人仲間のささいな相談に対して「そんなもん自由だー!」と返して笑いを取っていたのが原型です。これを目にした周囲の芸人や作家から「それ、舞台でそのままやったほうが絶対に面白い」と強く推されたことが、キャラクター化への第一歩となりました。
しかし、当時のサバンナは関西で確固たる実力派コンビとして評価されており、高橋自身には「ピンネタで東京の全国ネットに出る」ことへの迷いや葛藤もありました。それでも『エンタの神様』の制作陣がキャラクターの持つ圧倒的なキャッチーさを高く評価し、番組出演が決定。ギターの基本コードを猛練習し、細部まで徹底的に作り込んだ結果、社会現象とも呼べる大ブレイクを果たすことになったのです。