芸能界における違法薬物の供給源は、一般社会のそれとは大きく異なります。芸能界薬物入手ルートの取材を進めると、六本木や西麻布、渋谷の会員制バーやプライベートサロン、さらにはアパレル関係者やイベントオーガナイザーを名乗るブローカーが媒介役となっている構図が浮かび上がります。
彼らは初めから売人の顔をして近づくわけではありません。売れっ子芸能人が集う閉鎖的なパーティーに自然に溶け込み、高級酒を振る舞い、警戒心が解けたところで「眠れるようになるサプリがある」「海外のトップアーティストはみんな使ってクリエイティビティを高めている」と甘言を弄してリキッドや粉末を手渡します。一度でも手を出せば、今度は弱みを握られ、法外な価格で継続購入を迫られる泥沼に引きずり込まれる仕組みです。
これに対峙するのが、厚生労働省麻薬取締部マトリと警視庁組織犯罪対策部です。マトリは特別司法警察職員としての強固な情報網を持ち、ターゲットの行動確認(尾行)、ゴミ袋からの微物採取、通話履歴や通信ログの解析などを数か月から1年以上にわたって極秘裏に重ねます。
世間では「なぜ怪しいとわかっていながらすぐに捕まえないのか」という声も聞かれますが、捜査関係者は「確実に薬物逮捕芸能人判決実刑や有罪を勝ち取るには、単なる尿検査陽性反応芸能人のあぶり出しだけでは不十分だからだ」と明かします。所持容疑での現行犯逮捕を狙うため、海外旅行からの帰国直後や、自宅にブツを仕入れた直後のタイミングを精密に割り出し、確実な令状執行を行うのです。水面下で進む薬物疑惑芸能人マーク対象の監視は、本人が気付かぬ間に包囲網を狭めています。