ネット上のオカルト記事などでは、まことしやかにドッペルゲンガー 見分け方として次のような項目が列挙されることがあります。
- 影が地面に落ちていない
- 鏡やショーウィンドウのガラスに姿が映らない
- 足音や衣擦れの音が一切しない
- 声をかけても返事をせず、無表情で視線が合わない
しかし、これらは19世紀の怪奇小説や映画の演出が一人歩きした完全なフィクションです。現実の空間において、他人が「あなたそっくりの人物」を見かけた際、無視されたり無表情に見えたりするのは極めて当たり前のことです。なぜなら、その人物はあなたとは無関係の赤の他人だからです。見知らぬ人から遠くで視線を向けられても反応しないのは当然であり、声をかけられても無視して足早に立ち去るのは現代社会における極めて自然な防衛行動に過ぎません。
ネットの誤った情報を信じ込み、「声をかけても無視されたからドッペルゲンガーに違いない」「影が薄かった気がする」と記憶を後から改ざんしてしまう現象は、心理学でいう「確証バイアス(自らの仮説に都合の良い情報だけを記憶・選択する傾向)」の典型例です。非科学的な見分け方に囚われることは、不要な恐怖心を増幅させるだけであり、何の解決にもなりません。