一括りに「傷跡の盛り上がり」と言っても、医学的には「肥厚性瘢痕」と「ケロイド」の2つに明確に分類されます。この違いを理解することが、正しい治療への第一歩となります。
ケロイド研究の第一人者として知られる小川令教授をはじめ、日本形成外科学会の専門家たちが強調するのは、両者の進展パターンの違いです。肥厚性瘢痕は元の手術傷の範囲内にとどまって盛り上がるのに対し、ケロイドは元々の傷の境界を超えて正常な皮膚へと赤みが広がっていく特徴を持ちます。
また、肥厚性瘢痕は数ヶ月をピークに徐々に落ち着いていく傾向がありますが、ケロイドは遺伝的要因や体質が強く関係しており、長期間にわたって強いかゆみや痛みが持続することが多く見られます。どちらの状態にあるのかを自覚し、専門的な診断を受けることが改善への近道です。