進学相談掲示板やSNS、知恵袋などのコミュニティを分析すると、多くの高校生が「何を書けばよいか分からない」と苦悶する一方で、見事に合格を勝ち取った先輩たちのエピソードには明確な共通項が存在します。
ある地方公立高校から総合型選抜で難関私立大学に合格した受験生の手記には、次のような生の述懐が記されています。
「高校2年の冬まで、自分には全国大会はおろか県大会の出場経験すらなく、生徒会にも無縁で、志望理由書に書く資格がないと思い詰めていました。しかし担任の先生から『毎日続けてきた英単語学習のノートや、地域の清掃ボランティアで感じた違和感こそが一次情報だ』と言われ、日常の工夫を掘り起こしたところ、面接官の食いつきが驚くほど良くなりました」
面接官を担当する大学教授への取材でも、次のようなリアルな本音が漏れ聞こえてきます。「毎年、何十人もの受験生が『部長として部員をまとめました』『文化祭実行委員として団結させました』と同じようなテンプレートを語りに来ます。聞き手としては、優等生的な美辞麗句よりも、『自分の思い通りにいかず衝突した時、具体的に相手にどんな言葉をかけて乗り越えたか』という生々しい試行錯誤のディテールを聞きたいのです」。
ネット上の情報に踊らされ、無理に壮大なストーリーを捏造する必要は一切ありません。自分自身の目と手で経験した等身大のファクトこそが、他者の心に響く強い文章を生み出す原動力となります。