堤防を越えた先に広がる乙部海岸。かつては護岸工事のコンクリート壁が冷たい印象を与えていたが、沿岸防災・都市整備プロジェクトの一環として遊歩道や親水広場が整備され、市民の憩いの場へと姿を変えた。朝夕には愛犬を連れて散歩する住民やランナーが心地よい波音を背景に行き交う。
「海のすぐそばに暮らす贅沢は、この景色を見れば一瞬で分かるはずです」と話すのは、海沿いの新築分譲地を購入した30代の住民だ。南海トラフ地震を見据えた防潮堤の嵩上げ・耐震補強工事が完了したことで、心理的な安心感が飛躍的に向上。海を日常の風景として取り込みながら安全に暮らすスタイルが、ファミリー層の心を掴んでいる。