焼き鳥の味付けといえば昔から「タレ」か「塩」の二者択一だった。しかし、現在の中目黒において、その常識は過去の遺物と化している。
今、食通たちを狂喜させているのは、自家製のハーブオイル、発酵調味料、あるいはカンボジア産の手摘みペッパーなどを駆使した独創的なアプローチだ。例えば、ジューシーに焼き上げたレバーに、濃厚なバルサミコと実山椒のソースをあわせる。あるいは、皮目の香ばしいセセリに、柑橘の香りを纏わせた自家製タプナードを添える。一口ごとに意表を突く味わいのレイヤーが広がる。
さらに外せないのが、グラスに注がれるナチュラルワインやクラフトSAKEの存在だ。旨味が凝縮した脂を、柑橘系の爽やかな酸味を持つオレンジワインや、野生酵母で醸した日本酒が鮮やかに切る。ソムリエと焼き手がタッグを組んで提案するペアリングコースは、訪れる者の味覚をこれまでにない次元へと誘う。