すべての始まりは『てんとう虫コミックス』(小学館)のページの中にあった。巨匠・藤子・F・不二雄の手によって生まれた不朽のSFギャグ漫画において、二人のキャラクター造型は最初から際立っていた。力ですべてをねじ伏せる本名・剛田武と、裕福な家庭環境と口達者さを武器にする骨川スネ夫。この対比は、子ども世界の縮図でありながら大人の社会構造をも暗示している。
力による支配と、情報や財力による世渡り。一方が拳を振るえば、もう一方は知恵と自慢話でその影に隠れる。日常のドタバタ劇において、彼らが主人公であるドラえもんやのび太に仕掛ける理不尽な難題こそが、ストーリーを動かす強力なエンジンとなってきたのだ。