阪神甲子園球場の三塁側アルプススタンドは、福山から駆けつけた大応援団によってエンジ色一色に染まった。新幹線やバスを乗り継ぎ、早朝から甲子園に詰めかけたファンの熱量は圧倒的だ。地元企業の有志や商店街の人々、卒業生だけでなく、これまで高校野球に縁のなかった市民までもが応援バスに乗り込んだ。
「福山から甲子園で勝つことが、これほど街を一つにまとめるとは思わなかった」。アルプススタンドで声を枯らしていた地元商店街の店主は涙ぐみながら語る。メガホンを叩く音が甲子園の浜風に乗って響き渡り、土壇場での逆転劇を生み出す大きな後押しとなったことは間違いない。