現代では「痛いの痛いの、飛んでいけ!」で終わるケースが一般的ですが、実は日本各地には興味深い「続きのフレーズ」が数多く伝承されています。痛みをどこか特定の場所へ飛ばしたり、他者に預けたりする表現には、地域色豊かなバリエーションが存在します。
代表的な続きのパターンには以下のようなものがあります。
- 山や名所に飛ばす型:「痛いの痛いの飛んでいけ、比叡の山(富士の山)へ飛んでいけ」「〇〇(近隣の山)のお山へ飛んでいけ」
- 第三者に譲る・引き取ってもらう型:「お隣の畑へ飛んでいけ」「カラスにやってしまえ」「スズメに食われろ」
- 海や異界へ流す型:「海の底へ沈んでいけ」「鬼の島へ飛んでいけ」
中でも興味深いのは、「お隣の屋根へ飛んでいけ」や「雀にあげてしまえ」といったバリエーションです。一見すると他人に厄を押し付けているようにも見えますが、民俗学的には「生命力の強い動物や大きな自然物に痛みを引き受けてもらい、中和・昇華してもらう」という共生の知恵やユーモアが込められています。