太巻きに入れる具材の数にも、明確な意味が込められています。一般的に恵方巻きには「7種類」の具材が使われますが、これは恵比寿神や大黒天などで知られる「七福神」にあやかったもの。「福を巻き込む」という願いが込められており、切らずに一本そのまま食べるのは「縁を切らない」という縁起担ぎによるものです。
農林水産省「うちの郷土料理」プロジェクトの公式解説でも、地域ごとの行事食として太巻きが取り上げられ、穴子や鰻(出世・長寿)、伊達巻やかんぴょう(長寿・縁結び)、海老(腰が曲がるまで長生き)など、具材一つひとつにめでたい象徴的意味が含まれていることが紹介されています。彩り豊かな具材を海苔でキュッと巻き上げる行為そのものが、幸せをかき集めて逃がさないおまじないの役割を果たしていたわけです。