歯の仮詰めが取れた時の応急処置法|絶対Ng行動と放置リスクを解説

歯の仮詰めが取れた時の応急処置法|絶対Ng行動と放置リスクを解説

歯の仮詰めが取れた時の応急処置法|絶対Ng行動と放置リスクを解説の注目ポイントを分かりやすくまとめてご紹介します。

仮詰めの脱落直後、焦りや「歯医者に行く時間がない」という焦燥感から、ネット上の誤った裏技を試して事態を悪化させる患者が後を絶ちません。歯科医療の現場から「これだけは絶対に避けてほしい」と強く警告されている代表的なNG行動を詳解します。

最たる危険行動が、家庭用瞬間接着剤(アロンアルファなど)による自力での再接着です。工業用・家庭用の瞬間接着剤はシアノアクリレート系の劇薬であり、生体組織への使用を想定していません。これを歯の穴に流し込むと、硬化時の急激な化学反応熱と毒性によって歯髄(神経)が不可逆的な炎症を起こし、激痛の果てに神経が壊死します。さらに、接着剤が完全に固着すると歯科医院で器具を使って歯ごと削り取らなければ除去できなくなり、健康な歯質を大幅に削る破目になります。ネット上で「応急的にくっつけた」という体験談を見かけても、絶対に真似をしてはいけません。

次に問題となるのが、ドラッグストアや通販で購入できる市販の仮詰め材(テンポラリーパテ等)を自己判断で詰める行為です。無菌操作ができない一般家庭でパテを押し込むと、穴の中に残った食べかすや無数の口腔内細菌を歯の深部に閉じ込め、密閉された環境下で細菌が爆発的に増殖します。結果として数日後に猛烈な内圧がかかり、顔が腫れ上がるほどの急性根尖性歯周炎を引き起こす引き金になります。

また、痛みがないからといってそのまま長期間放置するリスクは極めて深刻です。特に「根管治療(歯の神経を抜いた根の治療)中」に仮詰めが取れた場合、歯の根の中は無防備な管として骨の内部まで直結しています。数日放置しただけで唾液中の雑菌が根の奥深くまで浸入し、それまで数回にわたって積み重ねてきた根管消毒の努力が完全に白紙に戻ります。最悪の場合、歯根の周りの骨が溶け、歯を残すこと自体が不可能になって抜歯を宣告されるケースも珍しくありません。

なお、食事中に「仮詰めを誤って飲み込んでしまった」場合の体内への影響ですが、現在歯科で用いられる仮封材はごく少量であれば消化器官を傷つけることなく、24〜48時間程度で便とともに自然排出されることが大半です。ただし、気管に入ってむせたり呼吸困難を起こしたりした場合(誤嚥)は速やかな内科受診が必要となります。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。