鳥が笑う姿を目にしたとき、私たちはついそこに人間と同じような「感情」を読み取ってしまう。だが、鳥類の発声メカニズムは人間のそれとは大きく異なる。人間が声帯を使って音を出すのに対し、鳥類は胸の奥深くにある「鳴管(めいかん)」と呼ばれる特殊な器官を振動させて音を奏でる。この構造により、彼らはふたつの異なる周波数を同時に発音したり、人間の笑い声のような断続的で高速なピッチの変化を完璧に再現できるのだ。
東京鳥類研究所の研究班はこう指摘する。「インコやキュウカンチョウなどの擬音能力が高い種は、飼い主が爆笑している場面の『音』と『周囲の明るい雰囲気』をセットで記憶します。彼らにとって笑い声の真似は、群れの絆を深めるための高度なコミュニケーション手段なのです」。つまり、彼らは単に音を真似ているだけでなく、その場が盛り上がっているという空気を敏感に察知して「笑い」を繰り出している可能性が高い。