物語の核となる大阪府建設業協同組合(通称・大協組)は、戦後の復興期から高度経済成長期にかけて結成された歴史ある団体だ。一見すると地元の中小建設業者を束ね、地域のインフラ整備や雇用創出に貢献する正当な業界団体に思われる。しかし、その実体は巨大な公共事業の利権を独占し、政治家や官僚へ不正な資金を還流させる強固な談合カルテルだった。
巨額の税金が投入される大型公共工事の入札において、誰が落札し、どの程度の利益を抜き取るのか。すべては組織の暗黙の了解のもとで決定されていたとされる。かつて大阪の街を創り上げた目覚ましい発展という「光」の影で、法と倫理を泥靴で踏みにじり続けた「影」の歴史。本作は、現代日本の礎となった高度成長の裏側にある罪深い真実を、逃げずに描き切ろうとしている。