類義語や関連語と並べた際、使い分けに迷いやすいのが「他山の石」と「高みの見物」です。それぞれの持つニュアンスと適切な使用場面を整理した比較表を確認してください。
他山の石と対岸の火事の違いは、「他者の失敗を自分の学びにする能動的な姿勢があるかどうか」にあります。『詩経』小雅・鶴鳴にある「他山の石以て玉を攻むべし(他の山から採れた質の悪い石でも、自分の玉を磨く砥石として役に立つ)」を語源とする「他山の石」は、他者の過ちを自分の教訓として昇華させる前向きな文脈を持ちます。一方、「対岸の火事」自体には自己研鑽の意味は含まれていません。
また、高みの見物と対岸の火事の対比では、「傍観の度合いと意図」が異なります。「対岸の火事」が無関心や無関係である事実そのものに重きを置くのに対し、「高みの見物」は安全な高所に身を置きながら混迷する現場を面白半分に眺めるという、より意地悪で悪意を帯びたニュアンスを伴います。