アメリカでの大規模な撮影現場でも、彼の阪神愛は有名な語り草となっている。深夜に及ぶロケの合間、セットの裏側で一人モバイル端末に釘付けになる渡辺謙。現地クルーが「何を見ているのか」と尋ねると、日本のプロ野球中継だと身振り手振りで熱弁を振るうという。
試合展開によっては、シリアスな演技の直前までガッツポーズを作っていたり、逆転負けを喫した際には分かりやすく肩を落としていたりする。監督や共演俳優たちも、いつしか試合結果を聞いて励ますようになったという噂だ。国境も言語も飛び越えるその虎党熱は、ハリウッドのスタジオ内にまで「Hanshin Tigers」の名を轟かせている。