本作の視覚的な象徴となっているのが、幾重もの歴史を重ねてきた大本山百萬遍知恩寺での大ロケーションだ。歴史ある境内の静寂と、現代の怪異とも言える事件のコントラストが、画面全体に圧倒的な重厚感をもたらしている。文化財指定の建造物での撮影許可を取り付けるまでには、異例の準備期間が費やされたという。
日本の映画産業全体にとっても、この挑戦が意味するものは大きい。これまでの定型化した邦画のジャンル分けを壊し、ローカルな題材を世界水準のサスペンスへと昇華させる手法。メイキング映像からも、撮影スタッフたちの並々ならぬこだわりが伝わってくる。