2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で社会現象を巻き起こした直後、誰もが彼女の輝かしい未来を確信していた。だが、舞台裏では前所属事務所であるレプロエンタテインメントとの間で、契約更新や仕事の選択権を巡る亀裂が深刻化していた。個人の権利を主張する女優側と、育成投資の回収と統制を優先する事務所側の衝突である。
事態は泥沼化した。契約満了を迎える過程で、彼女は長年親しまれた本名「能年玲奈」での芸能活動に制限をかけられる事態へと発展する。結果として「のん」への改名を余儀なくされ、主要キー局の地上波ドラマから姿を消した。業界内で囁かれた「テレビ干され疑惑」は、忖度文化が色濃く残る日本のテレビ局と大手事務所の力学を露呈させる形となった。