早稲田大学政治経済学部卒業という異色の知性派プロフィールを持つ彼は、学生時代から自身のキャリアに対して極めて冷静かつ俯瞰的な視点を持っていた。周囲が堅実な就職活動に勤しむ中で彼が惹かれたのは、自己の身体と感性を極限まで表現に投じる世界だった。
当時の知人が語る未公開のエピソードによれば、彼はモデル活動の傍ら、独学で世界各国の名作映画や戯曲を貪るように読み漁っていたという。周囲からは順風満帆に見えたモデル業だったが、本人の胸中では「服を飾る存在」にとどまらず、「人間の内面や泥臭い感情を表現したい」という欲求が日増しに強まっていた。この葛藤こそが、後に彼を本格的な演技の世界へと突き動かす原動力となったのである。