ピクサー・アニメーション・スタジオとウォルト・ディズニー・カンパニーの強力な制作・配給体制が生み出した本作は、技術面においても大きなエポックメイクとなった。当時、加速度的に進化していた3Dアニメーション映画の表現力を余すところなく活用し、無数の風船が受ける風の抵抗、布地の質感、光の屈折などを精密なシミュレーション技術によって再現してみせた。
物理エンジンの計算によって描かれた数千個単位の風船のリアルな挙動は、アニメーションにおける「リアリズム」と「ファンタジー」の高度な融合を成功させた。技術的革新を単なる見せ場に終わらせず、物語の感情表現へと還元する手法は、その後のCGアニメーション制作の標準仕様となり、スタジオの評価を決定的なものにした。