「体に良いから」という盲信だけで菜食を選ぶ時代は終わった。2026年の医療現場では、個人のゲノム配列に基づいた「プレシジョン・ニュートリション(精密栄養学)」が急速に普及している。研究によれば、植物性食品に含まれるベータカロテンを、体内で活性型ビタミンA(レチノール)に変換する酵素の働きには、遺伝的に極めて大きな個人差があることが分かった。
この変換能力が低い遺伝子タイプを持つ人が菜食を強行すると、どれだけニンジンやカボチャを食べても慢性的なビタミンA欠乏症に陥る。肌の乾燥や免疫力の低下、夜盲症などのリスクが跳ね上がるのだ。自身の体質を知らずに流行の食生活に飛びつく若者が増えた結果、体調不良を訴えて外来を訪れるケースが後を絶たない。