狭心症で心電図が「異常なし」の理由とは?波形変化と検査の真実

狭心症で心電図が「異常なし」の理由とは?波形変化と検査の真実

狭心症で心電図が「異常なし」の理由とは?波形変化と検査の真実についての疑問解決ガイドを徹底解説します。

狭心症が疑われる際、心電図の読み解きにおいて医師が最も注視するのが「ST部分」と「T波」の形状変化です。これらは心室が興奮から回復する過程(再分極)を反映しており、心筋の虚血に極めて敏感に反応します。

狭心症は大きく分けて、動脈硬化を基盤として階段昇降や運動時に生じる「労作性狭心症」と、血管の異常収縮(スパズム)によって安静時や早朝に生じる「冠攣縮性狭心症」が存在します。この2つでは、発作時に現れる心電図変化が明確に異なります。

労作性狭心症では、心内膜側の血流が不足するため、心電図の基準線(基線)よりもST部分が下がる「ST低下」(水平型や下降型)が特徴的です。さらに、T波の向きが逆転する「陰性T波」が観察されることもあります。一方、冠攣縮性狭心症の発作中には、冠動脈が一時的にほぼ完全に閉塞し、心壁の全層にわたる強い虚血が生じるため、心電図が基線よりも大きく持ち上がる「ST上昇」を呈します。このST上昇は発作が治まると速やかにベースラインへと復帰します。

病態・疾患名発作時の心電図特徴(波形)症状の好発タイミング・持続時間臨床現場での診断ポイント労作性狭心症ST低下(0.1mV以上)、陰性T波の出現歩行・階段昇降・運動時(2〜15分程度)運動負荷心電図検査や冠動脈CTが極めて有効冠攣縮性狭心症
(異型狭心症)一過性のST上昇、巨大T波深夜・早朝・安静時、飲酒後(数分〜30分)24時間ホルター心電図やカテーテル負荷試験急性心筋梗塞
(比較参考)持続的なST上昇、異常Q波、冠性T波時間帯問わず持続(30分以上、安静でも不変)心筋壊死マーカー(トロポニン等)陽性、緊急搬送
田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。