国語辞典や語彙研究の公式解説によると、「首をかしげる」とは、「不思議に思ったり、疑わしく思ったり、納得がいかなかったりして首を少し斜めに傾ける動作、またはその心理状態」を指します。人間は思考が引っかかったり、直感的に違和感を覚えたりした際、無意識に頭部を傾けて視点を変えようとする生理反応を示します。この身体的な特徴的な仕草が転じて、疑念や不信を表す定番の慣用表現となりました。
文章で記述する際の首を傾げる漢字表記としては、一般的に「首を傾げる」と書きます。「傾(かし)げる」という動詞は「物を斜めにする、傾ける」という意味を持ち、常用漢字表の表外訓(一般的な読み方の枠外)にあたるため、公用文や新聞報道などでは「首をかしげる」と平仮名交じりで表記されるケースが一般的です。文芸作品やWebメディアでは「首を傾げる」の表記も日常的に広く用いられています。
ここで多くの人が混乱するのが、「頭をかしげる」という言い回しです。文化庁の国語世論調査などでも時折議論に上がりますが、慣用句として確立している正しい形は「首をかしげる」であり、「頭(あたま)をかしげる」は誤った混淆表現と見なされます。「頭を抱える」「首をかしげる」という2つの異なる慣用句が頭の中で混ざり合って生じた誤用であるため、公の場やビジネス文書での使用は避けるべきです。