絶望の淵から短期間で立ち直り、本来の自分を取り戻すためには、精神論ではなく科学的に有効とされる行動を取る必要がある。ここでは最新の臨床知見に基づく「5つの対処法」を解説する。
第一に、「接触と情報刺激の完全遮断(デジタルデトックス)」だ。元パートナーのSNSを監視したり、過去のメッセージを読み返したりする行為は、脳にドーパミン欠乏の激痛を再現させる。未練を断ち切るのではなく、脳の神経回路を保護するためにデジタルな繋がりを直ちに遮断しなければならない。
第二に、「認知行動療法を取り入れた思考の整理」である。失恋直後は「自分は永遠に愛されない」「すべてが終わった」という極端な認知の歪みが生じやすい。自分の感情を紙に書き出し、客観的に事実と感情を切り離す作業が、歪んだ認知を修正する。
第三に、「セロトニン分泌を促す生活リズムの再構築」だ。毎朝決まった時間に日光を浴び、軽度の散歩などのリズム運動を行う。これにより下降したセロトニン合成が促進され、自律神経の安定を取り戻すことができる。
第四に、「感情の物理的吐き出しと安全な他者への開示」だ。悲しみや怒りを無理に抑え込むと、ストレスホルモンのコルチゾールが体内に留まり続ける。信頼できる友人や家族の前で思い切り泣く、あるいは声を上げて感情を吐露することが生理的な回復を早める。
第五に、「小さな達成感による脳内報酬系の再起動」である。いきなり大きな目標を立てる必要はない。「朝コップ一杯の水を飲む」「5分だけ部屋を片付ける」といった極小のタスクを完了させ、脳に「自分は行動できている」という感覚を取り戻させることがリハビリとなる。