田中好子が肉声テープに遺した魂の叫びと壮絶な闘病の全真相

田中好子が肉声テープに遺した魂の叫びと壮絶な闘病の全真相

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田中好子さんの歩みは、日本のポップカルチャーと映画史の変遷そのものでした。1956年、東京都足立区千住に生まれた田中さんは、1973年に伊藤蘭さん(ラン)、藤村美樹さん(ミキ)と共に「キャンディーズ」としてシングル『あなたに夢中』で歌手デビュー。「スーちゃん」の愛称で親しまれ、抜群の歌唱力と親しみやすい愛嬌で国民的トップアイドルへと上り詰めました。

しかし、人気の頂点にあった1977年、日比谷野外音楽堂での「普通の女の子に戻りたい」という涙の解散宣言は社会現象となりました。1978年4月4日の後楽園球場ラストコンサートをもって解散し、一度は芸能界を完全に引退します。

転機が訪れたのは1980年の復帰以降です。単なる「元アイドル」の枠を破るべく、彼女は地道に演技のレッスンを積み重ね、女優業へと舵を切りました。そして1989年、巨匠・今村昌平監督の映画『黒い雨』で、広島の原爆投下による黒い雨を浴び、放射能禍に苦しむヒロイン・高丸矢須子役を演じきります。

髪が抜け落ち、絶望の中で人間としての尊厳を保とうとする矢須子の狂気と哀しみを圧倒的なリアリティで体現した田中さんは、第13回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、毎日映画コンクール女優演技賞など、国内の映画賞を総なめにしました。この受賞によって、彼女はアイドルから日本を代表する本格派女優へと決定的な脱皮を遂げたのです。

その後も、1994年の社会現象ドラマ『家なき子』(日本テレビ系)では安達祐実さん演じる主人公の病弱な母・相沢陽子役、2001年のNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』では国仲涼子さん演じるヒロインの天真爛漫な母・古波蔵勝子役を好演。さらに晩年の2010年には、毎日放送制作のドラマ『筆談ホステス』で北川景子さんの母親役を務めるなど、数多くの作品で「慈愛に満ちた日本の母」を演じ、共演者たちから実の母親のように慕われました。

伊藤 翔太
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伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。