震災の記録を追ったNHKスペシャルの大型企画でも、避難所の劣悪な環境がもたらす「災害関連死」の冷酷なデータが白日の下に晒された。地震の直接的な倒壊から生き延びた命が、避難生活の数週間で静かに失われていく。その現実が世論を大きく揺さぶった。
これを受け、内閣府防災担当も重い腰を上げざるを得なくなった。従来の「耐え忍ぶ避難」を前提とした運用指針を大幅に見直し、自治体に対して簡易ベッドやトイレトレーラーの備蓄・協定締結を強く促す方針へと転換した。行政の災害対応マニュアルにTKBの概念が明確に組み込まれ始めたことは、日本における防災のパラダイムシフトを意味している。