診察室に入って驚かされるのは、医師がパソコンの画面ばかりを眺める「キーボード診療」が一切見られないことだ。最新の音声認識AIシステムが医師と患者の会話をリアルタイムで自然言語処理し、電子カルテへ正確に記録していく。医師は終始、患者の目を見て話を聞き、表情の変化や細かな体の動きに集中できる環境が整えられている。
実際にかかりつけ医として通う60代の女性は、「以前通っていた病院では先生がずっと画面に向かっていて、自分の話を本当に聞いてくれているのか不安でした。でもここでは、先生がしっかり私の顔を見て話をしてくれる。症状の説明も専門用語ではなく、日常の例え話を使ってくれるので心の底から安心できます」と笑顔で語る。テクノロジーを患者との距離を縮めるために使うという逆転の発想が、ここには息づいている。