茨木が遺した詩は、読む者を甘やかさない。読後に残るのは、心地よい余韻ではなく、背筋が伸びるような緊張感だ。自分の足で立っているか。自分の目でものを見ているか。自分の言葉で語っているか。
没後20年という節目を迎え、彼女の言葉が再び激流のように街へ流れ出しているのは、私たちがどこかで「自分の人生の主権」を取り戻したいと強く願っているからにほかならない。彼女の詩集を開くとき、私たちはいつでも、自分自身の感性を呼び覚ますための鋭利な刃を手にすることができるのだ。 (出典: 茨木 のり子(Yahoo!ニュース))