『キリエのうた』小説ネタバレ結末!イッコの正体と映画の違いを徹底解剖

『キリエのうた』小説ネタバレ結末!イッコの正体と映画の違いを徹底解剖

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映画で松村北斗が演じた潮見夏彦の運命もまた、震災によって完全に狂わされた一人です。医大生だった夏彦は、希の妊娠を知りながらも親への報告や将来への不安から決断を先延ばしにしていました。地震発生直後、仙台から石巻へ駆けつけた夏彦が目にしたのは、変わり果てた街と希の訃報でした。

「自分がもっと早く彼女を東京に連れ出していれば助かったのではないか」という耐えがたい自責の念に押し潰された夏彦は、医学部を中退。医師になる未来を捨て、自罰的な放浪生活へと身を落とします。やがて彼は、かつて希の妹であったルカの存在を追い求め、東京の路上で歌う彼女と再会します。

小説版における夏彦のラストは、決して晴れやかなハッピーエンドではありません。ルカの歌声を聴きながら、彼は「希はもうどこにもいない」という現実を骨の髄まで突きつけられ、それでもなお罪を背負ったまま生きていく覚悟を決めます。ルカと結ばれることも、過去が帳消しになることもないまま、彼女の歌を遠くから見届ける夏彦の姿は、失われた時間に対する重い余韻を残します。

山崎 陸
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山崎 陸

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